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ミドルマネジメント層に送る!コンフォートゾーンを抜け出し、成果も育成も諦めないための課題解決法とは?

こんにちは。スキイキ広報担当です。

今回は、ミドルマネジメント層向けに「管理職に求められるスキル」「組織づくりのヒント」についてお届けします。

ミドルマネジメント層は、経営層をサポートしながら、同時に部下を含めたチームを率いるリーダーとしての役割を持つポジションがゆえ、多方面で悩みを抱えることもあるものです。

本記事では、ミドルマネジメント層が直面している昨今の状況、求められるスキルを押さえた上で、実務上の課題を解決するための考え方・具体的なヒントを解説していきます。
ぜひスキルアップやチームのマネジメントの参考にしていただければと思います。

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目標・育成・実務で板挟み?ミドルマネジメント層の業務の現状

企業の人事担当と管理職( マネジャー・課長・部長)を対象に2022年に実施された「マネジメントに対する人事担当者と管理職層の意識調査2022年」によると、会社組織の課題として人事・管理職ともに上位に入ったのが「新価値創造・イノベーションが起こせていない」で、それぞれ66.7%、60.0%を占めています。新規事業開発や既存事業の改革に関わる問題を、部門・立場を越えて同様に認識されていることがわかります。

同じように多い割合を占める「次世代の経営を担う人材が育っていない」も人事・管理職ともに課題を感じていることが結果から読み取れます。新規事業を推進する人材やチームリーダーなどの役割を担う人材を確保・育成できていないことが浮き彫りになった結果と言えます。

調査「会社の組織課題」

一方、管理職は大きな課題に感じているものの、人事とは認識度合いが若干乖離している課題として「ミドルマネジメント層の負担が過重になっている」が挙げられます

このことから、管理職(ミドルマネジメント層)に求められている・認識している課題は、既存の領域を越えてビジネス開発・改善を推進していったり、それに必要な人材を育成していくことが重要な反面、管理職自身の実務離れが進まずリソースを割くことができないという状況だと考えることができます。


調査:管理職に期待していること・管理職として重要な役割

また、同調査において、管理職に期待していること・管理職自身が認識する役割としては、人事・管理職側で共通してTOPは「メンバーの育成」ですが、次いで管理職にとっては「担当部署の目標達成/業務完遂」、そして共通して「業務改善」が上がってきています。
業務改善については、管理職層が日々の業務で困っていることについてでもTOPにきており、また求めるサポートとして外部からのコーチングも上がってきていることからも、業務設計や業務の質そのものをより良くしていかなければならず、そのノウハウも専門的なものを求めているものの、まずは目の前の定量目標や実行業務の完遂に追われ続けているという状況がうかがえます。

調査:日々の管理職業務で困っていること
調査:管理職業務で困っていることに対して周囲に求めるサポート


ここまでの調査結果をまとめると、変化に対応し結果を出すためのビジネス推進力が求められており、そのための業務改善には高い専門性が必要にもかかわらず、土台となる人材育成には手間も時間もかかる上、管理職自身が実務をこなして現場の目標達成をカバーしなければならないという負荷が大きいという板挟みの状況と言えるでしょう。



マネジメントはバランス?「カッツモデル」による3つのスキル領域

本来、ミドルマネジメント層には、トップマネジメントの補佐、ロワーマネジメントの指揮監督、トップ・ロワーマネジメント間や部門間の調整などの役割があります。

また、自身がプレイングマネージャーとして現場で実務も補っているケースが多いことからも、否応なく幅広いスキルが求められている存在と言えるでしょう。
そのような中で意識しておくと良い考え方として、ハーバード大学教授のロバート・L・カッツ氏が提唱した「カッツモデル」をご紹介します。

カッツモデル:ミドルマネジメントに求められる3つのスキルとバランス

カッツモデルとは、ミドルマネジメントに求められる3つのスキルとそのバランスのことで、「コンセプチュアルスキル(概念化能力)」「ヒューマンスキル(対人関係能力)」「テクニカルスキル(業務遂行能力)」が含まれています。

コンセプチュアルスキル

物事を概念化して本質を正しく捉える力のことで、論理的思考・水平思考・批判的思考・多面的視野などが含まれます。トップマネジメントが決定する経営方針やビジョンなどの想いやビジョンを理解する際には欠かせないスキルです。

ヒューマンスキル

そして、組織内のメンバーのコミュニケーションを活性化させて、円滑にしていくためにはヒューマンスキルが欠かせません。対人関係力とも言われ、目標達成するために働きかけていくもので、コミュニケーション力・ヒアリング力・交渉力・リーダーシップなどを指します。

テクニカルスキル

また、現場で業務遂行するメンバー一人ひとりの理解やプレイングマネージャーとしての動きに必要なのはテクニカルスキルです。業務遂行力とも言われ、現場の運営には欠かせない業務の知識や技術の理解、情報収集能力などが該当するでしょう。


ここでお気づきの方も多いと思いますが、カッツモデルの図の通り、ミドルマネジメント層はこの3つのスキルに対する適度なバランスが重要であり、テクニカルスキル(業務推進能力)の領域を自身で負担することばかりに時間や労力をかけてはいけないということが示唆になっています。

取り組める業務量は限られている中で、自身が管理職としてどれくらいの割合で3つのスキル領域にリソースを割いているか、改めて振り返ってみると見直すヒントになるでしょう。



部下に対してだけじゃない?管理職にも必要な「コンフォートゾーン」脱却

加えて、「コンフォートゾーン」の考え方も取り入れると自分自身の成長にも繋がります。
部下(一般社員)に対して育成・マネジメントをする際に、成長過程の3つの領域(状況)で「コンフォートゾーン」「ラーニングゾーン」「パニックゾーン」がありますが、それは、自分自身の考え方としても取り入れる必要があります。

コンフォートゾーン・ラーニングゾーン・パニックゾーン

コンフォートゾーン

その人自身にとって快適な状態のことを指します。置かれた状況や環境に対して不安を感じない、居心地の良いところで、特に何も考えない普段の状態。逆に言えば、リスクやチャレンジとも遠いゾーンでもあります。

ラーニングゾーン

コンフォートゾーンの外側に位置する、学びの領域。自身の能力を超えた仕事や、未知の体験をするときなど、言ってしまえば多少の不安は感じている状態になります。普段の快適なだけの状態から一歩外側に踏み出しており、はじめは居心地の悪さも感じますが、居心地が良くなるような意識的な努力や時間経過によって、スキルアップや経験を蓄積し、結果的に成長につながっていく大切なゾーンです。

パニックゾーン

最も外側、これはラーニングゾーン以上に自身の能力をはるかに超えた高度な業務やスキルを求められ、それが過剰になった場合には最悪、精神的にも肉体的にも大きな負荷がかかってしまい追い込まれるという危険なゾーンと言えます。


これらの3つのゾーンの中で、コンフォートゾーンとラーニングゾーンを行き来するのが、人や組織が成長するための理想の状態であると言われています。

既存の社内環境・人員などの前提条件のままで「担当部署の目標達成/業務完遂」や「業務改善」を漠然と追い求めることや、管理職自身が実務を負担し、かつそれを属人的な経験の範囲内のみでカバーすることは、ある種「コンフォートゾーン」に居続けているとも捉えられます。

改めて、自身がコンフォートゾーンからラーニングゾーンの行き来をできているかを見直してみてください。



コンフォートゾーンを抜け出す一手!外部人材活用で3つの課題を打破

3つのゾーンを理解しつつも、「コンフォートゾーン」=快適な場所とは言えず、普段から十分にラーニングゾーンやパニックゾーンに居ると考える方もいらっしゃると思います。

しかし、管理職にとっての「コンフォートゾーン」は、現状維持そのものを指しているとも考えなければなりません。ミドルマネジメント層の立場・役務に落とし込むと、以下がコンフォートゾーンに含まれていると言えます。

  1. 自分自身の経験やノウハウの範囲内だけで、課題解決や戦術を考えること

  2. 自分自身の経験やノウハウの範囲内だけで、管轄メンバーに対する人材育成やスキルアップを図ろうとすること

  3. 自分自身の経験やノウハウの範囲内だけで、不足している実務を自ら負担して目標達成をカバーすること

つまり、ラーニングゾーンはこの3点から抜け出した先にあるはずです。
ここからは、コンフォートゾーンを抜ける手段として、 “外部人材” の存在もご紹介します。

部下のマネジメントをしていると日々実感されるかと思いますが、何かきっかけがあることでラーニングゾーンへ行くことができ、成長につながったというケースは少なくないはずです。
そのきっかけ、外的要因を作るという意味では、自身のキャリアや能力とは異なることを経験してきている外部人材活用は有効です。
具体的にどのような点がポイントになるのでしょうか。

  1. 変化の激しいビジネス環境で求められる、様々な環境や経験から得た高い専門スキルをプロジェクトの目標達成に向け取り入れることが可能

  2. チームメンバーと外部人材が直接関わる体制であれば、高い専門スキルやノウハウを実務を通して共有することができる

  3. 戦略・戦術レベルだけではなく、実務を含めた外部人材活用・依頼により、ミドルマネジメント層の実務の手離れにつながる

先のラーニングゾーンとしての3つの状況にこれを照らし合わせるとわかりやすいと思います。
外部人材は様々な企業やプロジェクトで経験を積み重ね、専門性の高いスキルやノウハウを持った人材が多いため、活用次第ではミドルマネジメント層として目標達成や業務改善、これまでと異なるチームづくりを目指する上での大きな力、右腕のような存在になり得ます。

ミドルマネジメント層が持っていない、範囲外のノウハウを受け入れることには少なからず抵抗感や不安もあるものですが、それこそが「ラーニングゾーン」へ行くきっかけになるかもしれません。
普段の社内からの考えだけでは見えてこない、客観的な視点や新たなメソッドなどを取り入れることで、チーム単位でのアイデア創発や業務改善が進み、ビジネス課題の解決策が見つかる可能性も高まります。

また、チームメンバーと招いた外部人材が直接的に業務の連携をする、関わりが持てる環境・体制にできれば、全てにおいてミドルマネジメント層を介さずとも、その外部人材のノウハウや知識がチームメンバーに共有されるので、実務を通して各メンバーのスキルアップやノウハウ蓄積も期待できます。
伴って、管理職自身のリソース調整や目標達成にもつながりやすくなるはずです。

外部人材(プロ人材)の活用について理解を深める際には、下記の資料や事例もぜひ参考にしてみてください。

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このように考えると、ミドルマネジメント層・管理職自信がコンフォートゾーンとラーニングゾーンの行き来を習慣化し、割くべきリソース・スキル領域のバランスを保つためにも、イノベーション創出やノウハウ蓄積、業務改善・遂行に寄与できる外部人材の存在、またその活用は組織・企業の成長に今後一層欠かせなくなるでしょう。
まずは領域や期間を絞り、外部人材活用を検討してみるのも課題解決の一歩になるのではないでしょうか。


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いかがでしたか。
今回はミドルマネジメント層が置かれている現状と、押さえておくべき3つの領域、そしてコンフォートゾーンを抜け出すためのヒントをご紹介しました。

自社環境におけるマネジメント業務の状況を改めて見直し、マネジメント層も現場も共にラーニングゾーンへ踏み出すため、外部人材という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。