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コンフォートゾーンを抜け出して、人も組織も成長するチームづくりとは?

こんにちは!マイナビのスキイキ広報担当です。
ゴールデンウィークもいよいよ終わり、連休明けの仕事に早速取り掛かる方も多いかと思います。5月に入ると職場環境も落ち着き、いよいよプロジェクトの本格化に向けて動き出すことも増える時期ですね。

さて、今回はどのような環境下であれば人材が能力を発揮し、成長できるかというテーマを取り上げます。

前回の記事(↑)で、ミドルマネジメント層の業務効率化・生産性向上の手段として、外部人材の活用可能性について解説しました。ただ、実際に、社内外を問わず関わる人材の能力・特性を最大限に引き出し、より有意義な経験にしたり成長機会となる環境をつくるというのは難しいところ。
今回は “人材がどのような環境下に置かれた際に最も成長できるか” という考え方についてご紹介します!

人間は成長過程で3つのゾーンに身を置くことになる?

外部人材を活用してチームづくりをしていく企業も増えてきている中で、どんな組織や人でも成長の過程において共通して置かれる3つの領域(状況)があります。それが「コンフォートゾーン」「ラーニングゾーン」「パニックゾーン」です。

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まず「コンフォートゾーン」は、その人自身にとって快適な状態のことを指します。置かれた状況や環境に対して不安を感じない、居心地の良いところで、特に何も考えない普段の状態。逆に言えば、リスクやチャレンジとも遠いゾーンでもあります。

その外側に位置するのが「ラーニングゾーン」。つまり学びの領域。自身の能力を超えた仕事や、未知の体験をするときなど、言ってしまえば多少の不安は感じている状態になります。普段の快適なだけの状態から一歩外側に踏み出しており、はじめは居心地の悪さも感じますが、居心地が良くなるような意識的な努力や時間経過によって、スキルアップや経験を蓄積し、結果的に成長につながっていく大切なゾーンです。

そのさらに外側は「パニックゾーン」です。これは、ラーニングゾーン以上に自身の能力をはるかに超えた高度な業務やスキルを求められ、それが過剰になった場合には最悪、精神的にも肉体的にも大きな負荷がかかってしまい追い込まれるという危険なゾーンと言えます。

これらの3つのゾーンの中で、コンフォートゾーンとラーニングゾーンを行き来するのが、人や組織が成長するための理想の状態であると言われています。
コンフォートゾーンにずっといたままではただ現状維持をしているだけ。ですが、ラーニングゾーンへと踏み出し、その場所がのちにコンフォートゾーンに変わっていき、また踏み出すというPDCAが繰り返されることで、キャパシティがどんどん広がりレベルアップの下地にもなっていくのです。

人材をコンフォートゾーンから脱出させるには?

では、人材をコンフォートゾーンから脱出させるにはどうすべきか。理想の状態はコンフォートゾーンとラーニングゾーンを行き来することですが、そうは言っても、自身の快適な空間から踏み出すには本人の勇気や努力が必要です。

そこで、2つのよくある場面に応じてマネジメント層が取るべき行動をご紹介します。

1つめは、コンフォートゾーンからの脱出に恐怖を感じているケースです。例えば、自身の能力を超える仕事や未知の体験にチャレンジし、失敗してしまうことに恐れを感じている場合で、若手社員に多い場面でしょう。
このような場合には、成功体験を重ねて、ラーニングゾーンの存在を知っていくことが有効です。コンフォートゾーンの外はパニックゾーンであると思い浮かべる人は多いかもしれませんが、コンフォートゾーンとパニックゾーンの間には、到達可能な域内であるラーニングゾーンが必ずあります。そこへ向けて踏み出すことにより多少の負荷は感じますが、それと同時に自己成長の実感や、新たな挑戦への自信が芽生えるでしょう。

2つめは、本気を出さずにコンフォートゾーンにあえて身を置いているケースです。例えば、余計なリスクは犯さず、現状維持でなるべく楽に過ごしたい、あるいはチャレンジしても何も変わらないだろうと思っている場合で、ある程度経験を積んだ年配の社員に多い傾向があるかもしれません。
このような場合には、その人が得意とする領域に着目することが有効です。自身が得意であると自負している領域であれば、新しいことに取り組むハードルも高くないでしょう。その領域の業務や役割を担うことで、現状の能力からステップアップしたラーニングゾーンへと自然に踏み出すことにつながります。

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このようにそれぞれの場合に合わせ、トップ層にもロワー層にも最適な環境づくりをしていくことが、ミドルマネジメント層に求められるのではないでしょうか。

人材のラーニングゾーンを図るには、日々のコミュニケーションがカギ?

チームメンバーの成長を促す最適な環境づくりをするには、チームメンバーのラーニングゾーンがどこなのかを知ることが必要です。しかし、ラーニングゾーンはただメンバーの様子を眺めているだけでわかるものでもなく、個々自発的に自身のキャパシティやステップを伝えられるような関係性を築く必要があります。

カギを握るのは、チームの体制や関係性に応じた適切なコミュニケーションです。

上司と部下の関係性であれば、1on1の個別面談があるためそこで会話すれば良いと思うかもしれませんが、日常的なコミュニケーションに気を遣うことが大切です。チームメンバーも、上司が忙しそうだから話しかけるのを迷っていたり、相談しても変わらないだろうと思ってしまっていることも正直多い。
そのような時に、ミドルマネジメント層が「どうした?」と軽い一声をかけたり作業の手を止めたりするだけでも話しやすくなります。何よりまずは話しやすい環境を作るというのが第一歩でしょう。

「もう少しチャレンジしたいと思っている」あるいは「失敗して次の仕事の影響が出ないかを心配している」など、チームメンバーが考えていることは様々です。このような本音が少しでも聞ける状態になったら、チームメンバーの思いを汲み取ることによって、ラーニングゾーンがどこにあるのかを図り、踏み出すことができる役割を与える、あるいは環境づくりをするのがミドルマネジメント層の力の見せどころでしょう。

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成長の過程には、誰でも辛さや負荷を感じるもの。しかし、ミドルマネジメント層がその後押しやサポートすることで、その人材は殻を破ることができはずです。

より具体的なマネジメントノウハウも以前解説していますので、こちらもご覧ください!

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いかがでしたか?
今回は、外部人材も含め、部署やプロジェクトのメンバーたちがスキルや経験を最大限に活かし、その人自身の成長、ひいてはチーム全体の成長につなげていくための「コンフォートゾーンからの脱出」という考え方をご紹介しました。
あなたの組織でチームビルディングをしていく上で、是非参考にしていただければと思います!