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【書籍から学ぶ】マネジメント層がチームで取り組みたい!モチベーションを高める組織作り

こんにちは。スキイキ広報担当です。

今回は「書籍から学ぶ人材活用」シリーズ、「チームビルディング」をテーマにお届けします。

リモートワークが普及し、働き方が多様化した今、「メンバーのモチベーションが低い」「すぐに離職されてしまう」などチーム作りに課題を抱えているマネジメント層の方は多いでしょう。

そこで、本記事ではこうして社員は、やる気を失っていく リーダーのための「人が自ら動く組織心理」を取り上げながら、チーム作りの土台となる「モチベーション」について押さえつつ、マネジメント層・組織全体として意識したい考え方や、ポイントを探っていきます。

💡『スキイキ』とは…
マイナビが運営する、フリーランス・副業人材と企業をつなぐマッチングプラットフォームです。
専門性の高いスキルや経験を持つプロフェッショナルと必要業務に絞り協働関係を築くことで、企業が抱える人材・ノウハウ不足の解決をサポート。
両者の出会いを通じ、個人には活躍とキャリア形成の機会を、企業には変化の激しい時代にあった柔軟なチーム作りのカギを提供します。

『こうして社員は、やる気を失っていく』の概要

まずは、この本の概要をご紹介します。

本書の著者は、組織人事コンサルタントや執行役員人事総務部長などの職務を経験してきた後、経営や組織人事のコンサルティング会社を立ち上げた松岡保昌氏。

様々な組織を見てきた松岡氏は、強い組織作りには「モチベーションを高める」のではなく、「モチベーションを下げている要因」を取り除くことが必要だと強調しています。

人が自ら動き出す組織。
人が自ら動き出す「強い会社」。
そのために真っ先にやるべきは、「モチベーションを下げている要因」を取り除くことです。

『こうして社員は、やる気を失っていく リーダーのための「人が自ら動く組織心理」』より

組織をマネジメントするリーダー向けに、勘や経験でマネジメントするのではなく、心理学に知識や根拠を学んだ上で活用していくために押さえたいポイントを解説したのが本書です。
強い組織を作るヒントとして、疲弊している組織や、そのマネジメント層に共通する問題点と改善策を具体的な事例に沿って紹介しているので、すぐに実践するための参考になるでしょう。



マネジメント層が改めて振り返りたいチーム作りの前提と避けたいNG行動

本書で紹介されている、上司がやりがちなNG行動。マネジメント層の方は自身が当てはまってしまっているかどうか、チェックしてみてください。

  1. 目を見て話さず、メンバーと向き合っていない

  2. 理由や背景を説明せず、仕事の本質を伝えていない

  3. 一方通行の指示で、コミュニケーションが取れていない

  4. 1から10まで指示し、コントロールできる部分を与えない

  5.  話を聞かずに決めつけて結論を出す

  6. 自身の経験が絶対と考え、意見も提案も受け入れない

  7. 言うことに一貫性がなく、行き当たりばったり

  8. 結果を出していても、感覚で評価している

  9. 失敗を部下のせいにする

  10. 自身が現場で動き続け、部下の仕事を取っている

上記のNG行動から見えてくる点としては、マネジメント層の「コミュニケーションの取り方や姿勢」「チームのリーダーとしての意識」「メンバー育成」の3つのポイントです。


【ポイント1】コミュニケーションの取り方や姿勢

まず押さえたいのは、「信頼関係をいかに築くか?」という部分です。具体的には、チームメンバーから相談されるリーダーであったり、逆に安心してリーダーからメンバーへ仕事を任せられる状態を指します。

例えば、リーダーになかなか話を聞いてもらえなかったり、既に結論が決まっていたり、リーダーとメンバーの間で対話がなされない状態が続けば、「自分が提案しても意見が通らないはずだ」とメンバーが新たな挑戦をせず、言われたことのみを実行するようになり、モチベーションが下がってしまうのは頷けます。

組織のリーダーとして成果を作るための業務はもちろん重要ですが、それと同時にチームメンバー1人ひとりと向き合って対話する時間を設け、意見や提案を受け入れる状態、メンバーが相談しやすい環境を作るほか、相互に臆さずコミュニケーションを取れる関係性を意識することも忘れてはいけません。

下記の図からもわかりますが、表に見えている部分だけを認識するのではなく、そこに行き着くまでのプロセスの部分や背景まで聴くことによって、相手のことを理解し、今起きていることを正確に知るようにしましょう。

信頼関係を築くためのコミュニケーション・傾聴力について


【ポイント2】チームのリーダーとしての意識

2つめは、チームのリーダーとして前提となる考え方の部分ですが、「1人では限界がある」ということを常に肝に銘じておく必要があるということです。
自分自身の経験したことやノウハウを業務に活かすことは大切ですが、そこにこだわり過ぎてしまうと、他の方法による可能性を見落としてしまったり、変化に対応しづらくなってしまう恐れがあります。

アイデア出しの幅や得意分野など、チームメンバーが複数いるからこそ、その掛け合わせでより大きな成果に繋がる可能性があるのです。
チームリーダーの役割として、業務の中でメンバーそれぞれの強みを発揮できるようにしたり、苦手な部分を補ったりすることを促したり、チーム全体を見て組織体制を整え、役割を伝えたり、サポートしたりすると良いでしょう。

工夫の例としては、ストレングスファインダーを組織で用いると、見えていなかった各自の特性とその相乗効果を可視化できるかもしれません。単独ではなくチームでビジネスを動かすにあたっての具体的な方法のひとつとして参考にしてみてください。


【ポイント3】メンバー育成の重要性

3つめは、個々が成長する、新たなスキルを得ていくためのサポートを継続的に行うことです。チームリーダーの役割と似た部分もありますが、マネジメント層であるということは、メンバーの業務成果を客観的に評価し、育成していく必要があります。

高すぎる目標設定や、具体的なプロセスがない行動計画を掲げていると、事業活動の結果が出ないだけでなくチームメンバーのモチベーションを下げてしまう要因にもなりかねません。チーム単位の俯瞰的視点と、それにつながる個々の目標に対する視点のそれぞれを明確にし、1人ひとりの業務に落とし込むサポートをしていくと良いでしょう。
また、評価の際には私情を挟まず、設定したゴールやプロセスに対しての達成度合いを公正に判断していくようにしましょう。

マネジメント層向けの人材育成のヒントになる記事はこちら



これからのチームビルディングに欠かせない6つの注力ポイント

ここまでマネジメント層が持っておきたいチーム作りの前提とNG行動について紹介してきましたが、組織全体で取り組むべきこと、またチーム作りをするにあたってリーダーが取り組むべきことも知っておくと良いでしょう。

押さえるべきポイントを理解し、成果を出せるチーム作りの参考にしていただければと思います。


チームメンバー全員が持っておきたい視点

チームメンバー1人ひとりが次の3点を押さえておくことで、チームメンバー同士の関係性が良くなったり、業務がスムーズに進められるようになったり、結果に繋がります。


①業務連携と協働の視点

チーム全体としてモチベーションが下がってしまうケースとして、業務の偏りや情報の共有不足などがあります。チームとして業務を進めるという全体的な視点と、そこからメンバー全員で役割分担をしていくという意識の両方を持つことが重要です。

業務連携のショートミーティングを設定するほか、悩みを抱えている他のメンバーにノウハウを共有するなどのサポートするなど、協働するという考え方を前提とする必要があります。そのもとで、相互にコミュニケーションを取る意識づけをすることで、業務効率化が図れたり、柔軟な対応ができたりと、チームとしての成果につながりやすくなると言えるでしょう。

ダニエル・キムによる「組織の成功循環モデル」


②前例と変えるべきことを議論する視点
チームで議論する際、過去の成功体験を引きずってしまったり、新しい意見を頭ごなしに否定してしまうことはないでしょうか。

チームとして過去の経験やノウハウを活かすことも重要ですが、場合に応じて実際に市場調査を行ったり、異なる視点のアイデアを検討したりするべきだという意識が重要です。
そうすれば、市場ニーズを適切に汲み取れたり、顧客に刺さる企画が生まれたり、成果につながる可能性が高まると考えられます。特にチームリーダーが過去の成功体験に固執しないように、他の案と同じように検討することを意識することが有効です。


③多様性を受け入れる視点

チームメンバー同士で関わる中では、それぞれのバックグラウンドや考え方・価値観、働き方、ライフスタイルなどを理解し、受け入れることが重要です。お互いに信頼関係を築き、業務を加速させるためには、「相手がなぜそう考えるのか?」というところまで知るという点を特に意識する必要があるでしょう。

近年は人材活用も多様化してきており、正社員だけでなく、専門的スキルを持ったプロとして活躍するフリーランスや複業・兼業などの “外部人材” をチームにアサインするケースも増えてきています。そのような中では、多様性を受け入れる視点はもちろん、より協働の意識を持ったり、きちんと議論できる関係性を作ることを意識する必要があります。

逆に言えば、外部人材のような存在も当たり前に活躍できる組織を作ることが、強いチームを作ることに繋がっているとも考えられるでしょう。

外部人材活用について情報収集しておきたい方は、こちらの事例付きガイドブックをダウンロードして見てくださいね。

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リーダーが取り組むべきチーム作りの視点

一方、リーダーが取り組むべきポイントとしては特に3点挙げられます。


①心理的安全性の確保
チームメンバー全員で意見を出し合える状態、提案を受け入れやすい状態を作るために、そのような場づくりがリーダーの重要な役割となってきます。
リーダー自身がチームメンバー1人ひとりとコミュニケーションを取り、信頼関係を築くと同時に、意見や提案を否定せずに受け止めた上で、きちんと対話できる環境を作りましょう。定期的にブレインストーミングできる場を設けるなどの工夫をすることが効果的でしょう。

心理的安全性の高め方はこちらで詳しく解説しています。


②自己効力感を高めるサポート
メンバーそれぞれの「自分にもできる」「自分ならできる」という意識を高めることで、成功体験を増やして自信をつけることによって、モチベーションの低下を防ぐことが可能です。
チーム全体の目標に合わせ、個人としても適切な目標設定を行うためにサポートしたり、業務を任せて挑戦できる機会を与えたりするほか、失敗を受け入れる環境づくりを意識していきましょう。そうすることで、どんな場面でも柔軟に判断し、自ら動くことのできる人材が増え、自律性のある強い組織への成長に繋がります。

自己効力感と関連する「レジリエンス」についてこちらで解説しています。


③発信する「言葉」を活用して企業文化を醸成

企業理念やチームの目的を意識して業務に取り組むかどうかで、チームの結束力はもちろん、成果にも違いが出てきます。そのため、企業理念やチームとしてのゴールを明文化した上で、リーダーが発信する言葉をそれらに基づいたものに変えていくことが大切です。
チームで団結力が高まれば、チームのためにできることを考えたり、目標達成のためにモチベーションが高まるメンバーが出てくるでしょう。

企業文化の明文化・浸透についてはこちらでも解説しています。


このようにリーダーとして取り組むべきポイントを押さえ、メンバー全員でチーム作りをしていく流れを作ってみてください。

また、社内以外の視点を入れることもチーム作りの上では効果的になります。様々な企業を経験しているスキルを持ったプロ人材、あるいは経験豊富なマネジメント人材など、第三者視点となりうる人材をチームにアサインし、業務の中で新たな視点を盛り込むことで、チームを変革しやすい側面もあるでしょう。

人材活用やマネジメントに課題がある場合に、外部人材活用が解決策の1つになりうることも知っておいていただければと思います。


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いかがでしたか。
今回は、マネジメント層を中心にチーム作りの前提や注力したいポイントを解説しました。

人材活用やマネジメントの部分では、多くの課題を感じている方も少なくないはずです。ぜひ課題解決の糸口を見つけるきっかけとして、スキイキにお気軽に相談してみてくださいね。


※参考書籍