見出し画像

伸び伸びと挑戦できるチーム作りのカギは「心理的安全性」だった!

こんにちは!スキイキ広報担当です。
9月半ばを迎え、だんだんと涼しくなってきましたね。

さて、今回は「心理的安全性」というテーマをピックアップします。
Google社が「心理的安全性が高まると、チームのパフォーマンスが向上する」ということを発表したことをきっかけにビジネスの現場でもこの言葉が使われ始め、重視する企業も出てきました。

特に近年、フリーランスや副業など人材形態が多様化し、異なるバックグラウンドを持つメンバーが協働する機会も増える中、個々が能力やスキルを発揮することでシナジーを生み、大きな成果を出せるチーム作りは欠かせません。

本記事では、「心理的安全性」の定義や注目されている背景のほか、その高め方のポイントやマネジメント方法などをご紹介します。ぜひ皆さんの職場にも取り入れていただき、一人ひとりの仕事のパフォーマンス向上へとつなげてみてください。

「心理的安全性が高い」ってどういう状態?注目される背景とは

そもそも「心理的安全性」とは、チームメンバーが自由に発言したり、行動したりできる場のことを指します。心理学用語の「psychological safetyサイコロジカル・セーフティ」を日本語に翻訳した言葉ですが、1999年に組織行動学の研究者であるエイミー・エドモンドソン教授によって提唱されたのが始まりです。

そこから少し年月が過ぎ、2012年~2015年までの4年間でGoogle社内で行われた、生産性を向上させる働き方を明らかにするためのプロジェクト「プロジェクトアリストテレス」によって世界的に注目されるきっかけになりました。

これは、Google社が行った労働改革のプロジェクトですが、専門家が集められ、180ものチーム(エンジニア系115チーム、営業系65チーム)を追跡調査したところ、「チームや組織の生産性向上には心理的安全性が重要である」という結果が明らかになりました。
つまり、「効率的に成果を挙げられるチーム」の条件は、「優秀なメンバーがいるか」ではなく、「メンバー同士がいかに協力し合えるか」にあったのです。

画像1


近年、自由で多様な働き方を実現するテレワークが普及する中、従来では当たり前だった対人でのコミュニケーションが取りにくくなったことで、ストレスを感じやすくなったり、メンバーのメンタルケアが難しくなったと言う人も増えています。

画像5


コミュニケーション不足になりがちな状況で、チームを機能させ生産性を上げるためには、信頼関係を築きやすい状態が必要です。そこで、チーム内で遠慮なく発言しても受け入れられる雰囲気があったり、失敗を恐れずにチャレンジできる「心理的安全性」が高い環境がより一層重要とされているのです。

チーム内でイノベーションが起きやすくなる!「心理的安全性」の効果とは?

心理的安全性が注目されている背景はわかりましたが、実際にはどのような効果があるのでしょうか。
エドモンドソン教授は、これが低いことで、「無知だと思われる不安」「無能だと思われる不安」「邪魔をしていると思われる不安」「ネガティブだと思われる不安」の4つの不安が引き起こされると言及しています。これらの不安を解消することで得られるメリットを4つご紹介します。

画像2

① 問題の早期発見・解決ができる

チーム間で情報発信を普段からしていると、コミュニケーションをスムーズにとれるようになり、お互いに取り組んでいる仕事の状況を把握しやすくなります。
そのような関係性の中で、何気ない雑談や、ふとした時の気づきが共有されることによって、問題解決の糸口が発見されるということも考えられます。相手の状況を理解していることもあり、課題について率直にアドバイスをすることもできるので、問題の早期発見・解決が可能となります。

② 対話が増え、豊富なアイデアが生まれる

心理的安全性が高いチームであれば、メンバー同士を尊重し協力するような意識が生まれます。積極的に情報交換をしようとするので、議論が活発化しやすくなったり、知識やノウハウの共有につながったりなど、アイデアを生み出しやすい場になると考えられます。
また、メンバーの個性も受け入れられやすいため、多様な価値観やスキルを持った人が集まりやすくなり、イノベーションの創出につながるでしょう。

③ 人材の定着率が上がり、生産性が高まる

自然体の自分をチームメンバーが受け入れてくれるという安心感から、属する組織やプロジェクトに居心地の良さを感じるでしょう。これにより、社員が離職しにくくなったり、外部人材と継続的なリレーションシップを築けることにより、人材や知見不足の解消も期待できます。
チームへの愛着も湧き、個々のモチベーションも高まることで、生産性の向上につなげることもできると言えます。

④ 物事を整理し、解決すべき課題を見極められる

大切な指摘をしなければいけないときに、チームの和を乱していると思われることを恐れるあまり、積極的な発言がしにくくなる状況もあるでしょう。
しかし、自分の意見が素直に受け入れられるという安心感があれば、チームが抱える問題の本質を捉える疑問や質問が生まれ、解決すべき課題が明確になり、改善につながる前向きな意見も発せられるようになります。

自分のチームの状態をチェックしてみよう!

心理的安全性が高いことによって生まれるメリットはご理解いただけたかと思いますが、ご自身が所属する組織やチームにそれがどの程度あるのかは、わからないという方も多いでしょう。
そこで、これを測る手法として、エドモンドソン教授が提唱している「7つの質問」と「3つのサイン」をご紹介します。

まず、メンバー側の視点から測るための「7つの質問」を見ていきます。

画像3

「質問1・3・5」については、度合いが低いほど、「質問2・4・6・7」については度合いが高いほどポジティブと捉えられる設問です。これらの質問に対してポジティブな回答をするメンバーが多いほど心理的安全性が高いチームと評価できます。アンケートやヒアリングなどを定期的に実施することで、メンバーの置かれている状況を把握するのに役立つでしょう。

次に、リーダーの視点からチームの状態を測る「3つのサイン」も見てみましょう。

画像4

チームの心理的安全性が高い場合には、上記の3つのサインが見られると言われています。管理職やマネージャーなどの方は、これらの視点を意識してチームを観察することで、心理的安全性を測り現状を把握することができるはずです。ぜひご自身のチーム状態をセルフチェックしてみてください!

「心理的安全性」を高めるには目標設定・コミュニケーション・評価がポイント!

ここまでくると、チームで心理的安全性を高めたいと思う方が多いはずです。実際にマネジメントをする方法や押さえておきたいポイントをご紹介します。

① OKR(Objectives and Key Results)を設定する

これは目標Objectivesを設定し、それを達成するための成果指標Key Resultsを決めることで、会社全体はもちろん、チームの目標を各メンバーに落とし込む方法です。具体的な目標が定められることによって、各自のチームでの役割や、会社全体での役割がはっきりしてくるでしょう。社員に限らず、外部人材やパートナーにも同様のことが言えます。
会社全体の方向性、そしてプロジェクトの目的を理解しやすくするための手法としてOKRを活用することにより、各自がそれぞれの役割を意識しながら業務にあたることができると考えられます。

画像6

② 1 on 1ミーティングを実施する

リーダーとメンバーで1対1でミーティングをすることで、率直な意見を聞き、各自の成長やモチベーションの向上に役立ちます。心理的安全性を高める上では、コミュニケーションを取ることが重要なので、マネジメント層が個々の考えていることに耳を傾ける必要があります。
これは特に外部人材を活用している場合にも大切です。普段の面談の目的と言えば、評価や管理といったことが一般的ですが、個々が抱える悩みや将来思い描くキャリアなどについても話し合いを行うことで、自主的に考えさせて成長を促し、パフォーマンスを最大限引き出すことができるでしょう。

画像7

③ 双方向のフィードバックを行う

プロジェクトマネージャーが各メンバーを評価することが一般的かと思いますが、各メンバーがマネージャー、あるいはプロジェクト全体を評価する方法もあります。
そうすることで、マネージャーの言動がどのように捉えられているのか、あるいはプロジェクト全体の進行状況をどう考えているのかを知ることにより、課題を発見し改善に取り組みやすくなるでしょう。
これは、社員と同様に外部人材が行うことによって、第三者の視点からより客観的な意見が出る可能性もあり、高いパフォーマンスを出せるチームを作る上で重要なポイントになるとも考えられます。

画像8

このように、チームメンバーが自身の役割を意識し、それぞれの考えが尊重される環境作りがマネジメント層に求められることがおわかりいただけたのではないでしょうか。外部人材をマネジメントする際のコツも過去記事で紹介していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。


* * *

いかがでしたか?
心理的安全性を高めることで、個々のスキルや能力を最大限に活用でき、チームでのパフォーマンスの向上につながるということが見えてきました。

外部人材も含めた組織で、生産性の高いチーム作りのためにも、心理的安全性を向上させる方法やポイントを押さえ、マネジメントを行う際の参考にしていただければと思います。