
「セールスイネーブルメント」とは?営業成果を上げる取り組みを丸ごと解説!
こんにちは。スキイキ広報担当です。
6月も終わりに近づき、2022年の折り返し地点ですね。特に営業部門では、売上目標の達成に向けて動いている時期だと思います。
さて、今回は営業部門の成果向上を図るための取り組み「セールスイネーブルメント」について取り上げます。
アメリカの大企業の多くが導入している取り組みで、日本でも徐々に注目されるようになってきています。
本記事では、「セールスイネーブルメント」の定義から、注目されるようになった背景、具体的な導入方法などを丸ごと解説します。
ぜひ最後までお読みいただき、営業関連業務や人材育成に活かしてもらえればと思います。
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営業部門で取り組みたい「セールスイネーブルメント」とは?
まず、「セールスイネーブルメント」の定義を確認しておきましょう。
セールスイネーブルメントの第一人者である山下貴宏氏の著書『セールスイネーブルメント 世界最先端の営業組織の作り方』(かんき出版)によれば、
セールスイネーブルメントとは、「成果を出す営業パーソンを輩出し続ける人材育成の仕組み」
と定義されています。
営業というと、電話等でアポイントを取り、客先で自社の商品・サービス提案を行う部分に焦点を当てやすいと思います。
ですが、営業力強化、営業ツール開発、営業プロセス設計・管理など、営業業務の最適化や効率化に繋がる取り組み全体を指します。

セールスイネーブルメントの要素を挙げるとすると、
・セールスコンテンツの標準化
・顧客の正確な理解による、営業部門の生産性向上
・採用・マーケティングなど他部門との連携
・トレーニング、コーチング
がピックアップでき、「人材育成」が根本にあることが伺えます。
セールスイネーブルメントが今注目されている背景とは?
では、なぜ今「セールスイネーブルメント」が注目されているのでしょうか。大きく分けると3点背景があります。
【背景①】従来型である対面営業から転換しなければならない
特に、コロナ禍に入ってから、日本では働き方が大きく変化し、リモートワーク中心の企業も増えてきました。
そのような中では、営業活動自体も変化せざるをえず、対面からオンラインでの営業スタイルへと転換することになっています。結果として、新しい営業スタイルを確立する必要があるのです。
【背景②】営業活動が属人的で成果アップの糸口がわからない
多くの企業の営業部門では、メンバーの営業活動を可視化できておらず、営業プロセスは個々に任せられている場合がほとんどです。
売上目標を達成しているメンバーの営業プロセスから学ぼうと思っても、属人化しており、再現性がないという状況があります。そのため、どのように営業部門全体として成果アップに取り組もうか課題を抱えている場合があるのです。

【背景③】複雑で細分化した顧客の需要を明確につかめていない
近年、Webマーケティング活動や、CRM・MAといったツールの普及によって、マーケティング部門が獲得する見込み顧客の質と量が格段に向上してきています。ですが、複雑で細分化した顧客の需要をつかみきれず、営業活動に活かしきれていない状況が見られます。営業部門全体として、スキルアップが求められているのです。
セールスイネーブルメントの3つのメリット
ここからは、セールスイネーブルメントを導入するメリット3点をご紹介します。

【メリット①】営業スキルや生産性の向上
優秀な営業メンバーのノウハウや行動パターンを体系化し、マニュアルとして他のメンバーに共有できるので、営業部門全体のスキル向上が期待できます。
また、成果を上げているメンバー自身も、自分の特性を客観的に見ることができるので、さらなるレベルアップが図れるでしょう。
【メリット②】業績への貢献度などが数値化可能
営業施策を行う上で重要な達成状況の見える化を行うことで、各メンバーの「業績への貢献度」や「受注までのアプローチ手法」などを定量的に分析できるようになります。
そのため、現状把握ができることはもちろん、インセンティブの算出など、評価・育成面でも有効です。
【メリット③】顧客ニーズの把握・管理が可能
従来、顧客ニーズを把握・管理し切れていなかった部分を、整理して見える化するため、顧客に応じた提案をしたり、部門を跨いだ連携を強化したり、事業拡大に繋がるでしょう。また、新たな提案をする際にも、検討材料が増えるので、効果的な手段を選択しやすくなると考えられます。
押さえておきたいセールスイネーブルメントの進め方6ステップ
実際にセールスイネーブルメントを導入するにあたり、進め方を押さえておくことが重要です。営業部門だけでなく、様々な部門との協力なしでは実行することができないので、全体像を見ながら、準備を進めていくと良いでしょう。
1. 営業データの収集と整備(SFA/CRMツールを活用)
2. 兼任または専任部門の設置、人材のアサイン
3. プロセス設計
4. 育成プログラム開発
5. 営業成果の検証・分析
6. 経営層へ報告、今後のテーマを検討

進めるにあたり、外部のコンサルタントに依頼して主導してもらう場合もありますが、自社で実行していくことも可能です。ただ、社内にナレッジがない場合や、ノウハウを持っている人材が多忙で対応できない場合などは、この分野に長けた外部人材を活用することも有効です。
プロ人材に入ってもらうことにより、セールスイネーブルメントの推進だけでなく、周辺領域のナレッジも得ることができるでしょう。
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日本におけるセールスイネーブルメント導入事例をチェック!
ここからは、日本企業での導入事例を2つ見ていきましょう。
【事例①】Sansan
ベンチャー企業での導入事例としては、Sansanの事例が挙げられます。
業績拡大の過程で、顧客が増加。従来は、中小企業と大企業の顧客とバランスを取れていたものが、営業部門の人材が不足し、対応しきれないという課題がありました。
営業部門を強化する必要に迫られたタイミングで、セールスイネーブルメント部門を設置。特に人員不足に課題を感じていたこともあり、採用・育成に尽力。即戦力となる人材の採用はもちろん、営業として活躍できるように教育プログラムを作るなど、体系化を行うことで、生産性向上に繋げています。
【事例②】NTTコミュニケーションズ
大企業での導入事例としては、NTTコミュニケーションズが成功事例として知られています。大企業の場合は、様々な商品・サービスを営業する必要があり、特に新しい商材を売る際に営業スタイルが異なったり、複雑化した状況の中で新しい営業フローを構築したりする必要があります。
NTTコミュニケーションズの場合には、セールスイネーブルメントに取り組む担当部署を設置し、シェアリングサクセス(成功事例の共有)からスタート。データを取得・活用して、誰もが参加しやすいラーニングカルチャーを構築するなど、仕組み化を成功させています。
このような事例からもわかるように、企業によって課題となるポイントや、重点的に取り組む部分が異なります。先述したように進め方の全体像を押さえ、企業の規模やフェーズ、組織体制に合わせて取り組んでいくと良いでしょう。
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いかがでしたか。
セールスイネーブルメントの実践では人材育成に関連する施策のほか、営業ツールやナレッジの標準化と共有も重要です。セールスイネーブルメントを導入する際には、専門チームや部門を設置して、様々な部署と連携しながら進めていきましょう。
経験やノウハウを持った人材をアサインしたい場合には、スキイキを活用してプロ人材に参画してもらうことも検討してみてくださいね。