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【書籍から学ぶ!】『戦略質問』 を要約。"10の質問"が経営者独自の思いを引き出し、事業を加速させる!

こんにちは!スキイキ広報担当です。

昨年11月からスタートした「書籍から学ぶ人材活用」の記事の第5弾をお届けします。

今回のテーマは、「戦略立案に必要な発想」についてです。

近年、様々な商品・サービスが世に送り出され、各社の違いがわかりにくくなっていく、コモディティ化が進んでいます。そのような状況下では、戦略を見直し、競合との競争に勝ち抜いていかなければなりません。

本記事では、金巻 龍一『戦略質問 - 短時間だからこそ優れた打ち手がひらめく』を取り上げながら、戦略立案やビジネスモデル検討に必要なひらめきや発想法のポイント、人材活用のノウハウについてご紹介します。

💡『スキイキ』とは…
マイナビが運営する、フリーランス・副業人材と企業をつなぐマッチングプラットフォームです。
専門性の高いスキルや経験を持つプロフェッショナルと必要業務に絞り協働関係を築くことで、企業が抱える人材・ノウハウ不足の解決をサポート。両者の出会いを通じ、個人には活躍とキャリア形成の機会を、企業には変化の激しい時代にあった柔軟なチーム作りのカギを提供します。

『戦略質問』 の概要

まずは、この本の概要をご紹介します。

アクセンチュア、PwCコンサルティング、IBM戦略コンサルティンググループ、GCAなどにおいて、20年超にわたり戦略コンサルティング業務に携わってきた金巻氏によってまとめられた本書。

戦略立案の事例や企業経営者との会話の中で実際に活用している質問を取り上げながら、新しいひらめきにつながる考え方を紹介しています。

ポイントとなるのが、「戦略作成は小規模かつ超短期間で行うべき」ということ。戦略を作る際には、3ヶ月以上かかるという企業も多くある中で、ひらめきや発想力を発揮する時間は短時間が良いとされています。

戦略と聞けば、経営者向けの話かと思われがちかもしれませんが、事業戦略や顧客戦略の立案をするのは、プロジェクトのトップであるプロジェクトマネージャー/チームリーダーだと考えられます。本書は、戦略立案から人材活用まで見直せる内容なので、ぜひ実務で活用してみてください。


戦略の80%は "最初の40分" で見える

本書では、「ウォールーム」と呼ばれる小規模かつ短時間で戦略策定を行なう方法が取り上げられています。

なぜこのように少人数でスピーディーに戦略策定を行なうのかといえば、グローバル化、デジタル化、M&Aなど、企業の外部環境の変化が激化していることが背景にありますが、それだけではありません。

近年、課題を発見し、解決策を見つけるための「戦略」を立てなければと、日常的に「戦略」という言葉が使われ、戦略という言葉が軽くなり、本当に戦略性があるか疑問を持つものもあると著者は指摘しています。

「戦略の工業化」という言葉が本書に出てきますが、戦略立案に必要な作業が細かく分けられており、決められた手順通りにやっていくと戦略が立案できるようになっている現状があると言います。どこの企業も同じ情報を使い、同じような手順で戦略をまとめるので、似通ってきてしまうのは当然のことでしょう。

そのため、新規事業を立ち上げたとしても戦略が同質化しているので、苦戦するケースが多いのです。

そういった状況を打開するものとして、新たな発想や重要な決断を含む場としての「ウォールーム」が取り上げられています。

「ウォールーム」(War Room)とは、組織の非常事態に、その対策を練るためのもので、少人数かつ短期間で実施されます。もともとは軍隊組織のものがビジネスへ転用されています。

ウォールームは、「勝つための発想」を出し合う場で、それぞれが持つ仮説を議論するもので、合意形成や部門の調整をする場ではないと著者は強調します。また、新たな発想を生むためには、以下の4つのアングルに基づいて発想を引き出すことがポイントとなります。

・Zoom Out(対局から見てみる)
・Change Angle(タブーを破って考えてみる)
・Deep Dive(「置き去り問題」を一気に解決)
・Inside Out(暗黙知をカタチにしてみる)
これをトップとの40分×3回で

このように、40分という限られた時間で集中的に行なうことが、「勝つための発想」を生み出すコツということが見えてきます。


新しい戦略には、「新しいスキル」が必要

新しい戦略を策定する際の起点として、著者が挙げているのがミッションの再確認です。ミッションは「使命」と訳されますが、この本においてはビジョンの構成要素として登場します。

図にある通り、ビジョンを構成する要素として、「ミッション」「ディレクション」「バリュー」があります。

まずミッションは、社会にどのようなことが求められているかという企業の存在意義であり、それを実現するために何をするかを決めるディレクションにつながります。このディレクションの部分が戦略立案の起点となり、そこから戦略実行の計画へとつながっていくのです。

このように新しい戦略を実現するためには、新しいスキルが必要になり、そのスキルを持った人材を参画させて、組織を活性化させるのがバリュー(価値観)の役目となります。

企業としての価値観を発信することによって、人材を探すのではなく人材側から来るような流れを作る必要があるので、価値観を明確にしていくことが求められます。

また、新しい感性の人材を取り込んでいくためには、その能力の最大発揮の場を提供することが重要です。そのためには、まず以下の図のように「スキルワーカー」「ナレッジワーカー」のどちらの人材を求めているかを確認すると良いでしょう。

比較的安定した社会であれば「スキルワーカー」が求められますが、VUCA時代と呼ばれる現在は「ナレッジワーカー」が必要とされます。そのため、「ナレッジワーカー」に合った環境を作っていくことがポイントとなります。

ナレッジワーカーの場合、参画することで、どのような市場価値を身につけられるのかに焦点が当たるので、その点をしっかりと伝えることが人材獲得につながっていくでしょう。

新しいスキルを持った優秀な人材が入ることで、新しい戦略の実現が可能になることが見えてきたと思います。そう考えると、既存社員だけでなく、副業・フリーランスといったスキルを持ったプロ人材をアサインすることも検討し始める時期にきているのではないでしょうか。

スキイキのような、即戦力となるプロ人材とマッチングできるプラットフォームを活用するのも選択肢の1つです。新しいスキルを持った人材をアサインすることで、新たな方向性の事業をスタートできたという事例もあるので、ぜひ無料で配布している「外部人材活用ガイドブック」もチェックしてみてくださいね。


戦略のコアに迫る、10のセントラルクエスチョン

この本の中では、戦略立案の切り口として「10のセントラルクエスチョン」が紹介されていました。新しい戦略につながる発想を生み出す際、今まで考えてこなかった視点から物事を見ていくことがポイントになるでしょう。その問いかけが以下の10個なのです。

1.
この戦略の成功により、社員はどのような恩恵を受けますか?

2.
現在の組織にある課題がすべて解決したとしましょう。あなたの会社は何が実現できているのでしょうか?

3.
もし、あなたの会社が、今、突如この世から消えたら、誰が悲しむでしょうか?

4.
あなたの会社や事業が、このままの状態だとした場合、その「X-Day(終焉)」はいつ頃来ますか?

5.
あなたの会社は新しい戦略を策定されましたが、それにより、どこが弱くなりますか?

6.
あなたの会社の社員は、自分のお子さんたちを、自分の会社に入れたいと思っているでしょうか?

7.
あなたの会社でのかつての「南極探検」はなんですか?

8.
あなたの会社が「世紀の大番狂わせ」をするとしたら、それはどんなものでしょうか?

9.
あなたの会社の社員が他の会社に移られた場合、その方々は大活躍する予感がありますか?

10.
今回の戦略の実現を、既存の組織分掌を考えずにとにかく最適な人間に任せるとした場合、誰にやらせたいですか?

戦略立案に携わっている方も、そうではない方も、重要な議論においてこの10個の問いかけを活用して、ひらめきを引き出してみると良いでしょう。


まとめ

戦略立案をするリーダーの方は、小規模かつ短時間で戦略策定するウォールームを活用し、ビジョンを明確にするところから戦略作成に取り組んでみると新規事業立ち上げにつながるかもしれません。

その際には、人材活用とチームメンバーが力を発揮できる場づくりにも注力してみると、今までとは異なる成果につながるのではないでしょうか。

この書籍を、新たな戦略を生むヒントとして活用いただければと思います。