【書籍から学ぶ!】メタバースとWeb3はどんな未来を創る?キーワードとポイントを解説!
こんにちは!スキイキ広報担当です。
昨年11月からスタートした「書籍から学ぶ人材活用」の記事の第6弾をお届けします。
今回のテーマは、「メタバースとWeb3」が将来どんな変化をもたらすかについてです。
「AIが人間の仕事を奪うかもしれない」「バーチャル空間で仕事をする時代が来るかもしれない」など、技術革新によって私たちの仕事やライフスタイルが今後大きく変化すると耳にしている方も多いと思います。「メタバース」「Web3」もその主役の1つです。
本記事では、國光宏尚著『メタバースとWeb3』を取り上げながら、「メタバース」や「Web3」が私たちの仕事やライフスタイルにどのように関わっているのかを探りつつ、押さえておくべきポイントをご紹介します。
『メタバースとWeb3』の概要
まずは、この本の概要をご紹介します。
VRとブロックチェーンの領域で事業を立ち上げてきた著者の國光氏。これから近い将来、インターネットの世界が次のステップへ移行し、バーチャルファーストの時代が訪れると言います。
VRがゲームなどで活用され、いかにバーチャル上でリアルを再現できるかが追求されたリアルファーストの時代から、バーチャルが主でリアルが従となるバーチャルファーストの時代へと移行するにあたり、私たちの仕事やライフスタイルも変わります。
この本では、今後ビジネス化が進む「メタバース」、話題となっている「NFT」「DAO」「Web3」がどのように絡んでいるのかが紹介されています。
新たな技術でビジネス環境はどのように変化するのか、どのようなポイントに注目しておけば良いのか、概観をつかみたいという方に参考になる内容です。企業やプロジェクトの進む方向を長期的に検討する際、あるいは今後の人材戦略を考える際の材料の一部にしていただければと思います。
メタバースとは何か?
そもそもメタバースとは、超越したとしたという意味の「メタ(meta)」と、世界「ユニバース(universe)」を掛け合わせた造語で、3次元の仮想空間やそのサービスを指します。
VRやAR、MR、XR、ミラー・ワールドなどを、再定義したものがメタバースなので、以下の発展のステップを見るとわかりやすいと思います。
今後メタバースの領域では、いかにバーチャル空間へ人を呼び込めるかがポイントになってくるため、それと相性の良いゲーム市場の動きがカギを握るでしょう。
また、その次のステップとして、ビジネス分野、教育分野においてなくてはならないものになることで、メタバースがより浸透すると考えられています。コロナ禍以前は、オンライン会議のアプリが浸透していなかったのを思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
そして最後のステップが、ARグラス分野の発展です。スマホを触らなくても、情報へアクセスできるようになれば、バーチャルが日常の一部になると考えられます。
このように、メタバースの浸透、バーチャルの世界が当たり前の環境になった場合、バーチャル世界ではアバター(自分の分身)が動くため、1つの外見と1つの性格、1つのコミュニティに縛られなくなってきます。
そのような世界では、複数の外見、複数の性格、複数のコミュニティを自分自身が選んで生きられる可能性を秘めており、私たちの考え方の前提が変化すると言えそうです。
Web3とは?カギとなるのはブロックチェーン
ここからは、メタバースと関係が深いWeb3について見ていきます。
「Web3」(ウェブスリー)とは、次世代の分散型インターネットを指しますが、著者は仮想通貨、暗号資産、ブロックチェーン、クリプトを再定義したものと捉えています。
これまでのインターネットの変遷を整理すると以下の図のように表せます。
Web1.0の時代は、インターネットが普及し始めた頃のことを指します。一方通行型で、ニュースサイトや企業のHPなどを読むといった形で情報は受け取るだけのものでした。
そこから、Web2.0の時代になると、ブログに加え、TwitterやInstagramといったSNSが普及し、双方向型で情報発信が行われるようになりました。そこでは、プラットフォームを提供する企業が個人の情報やデータを握るようになっています。
このデータを自身で所有する動きとして加速し始めたのがWeb3.0の時代です。図からもわかるように、データは特定の管理者に依存せず、分散する形を取り、ユーザー間で共有するという時代が訪れるのです。
Web3.0の時代のカギとなる、ブロックチェーンについて3つの大きな特徴を整理します。
ブロックチェーンとは、分散型ネットワークに暗号技術を使って取引情報をオープンに記録する仕組みのことを指しますが、ブロックチェーンならではの特徴があると著者が提示しています。
【特徴①】トラストレス×自律的×非中央集権
1つめのキーワードは、「トラストレス×自律的×非中央集権」
特定のサーバーやデータベースに依存することなく、信用を担保する主体がいなくても(トラストレス)、多数の人が参加してネットワーク上で取引を行うことが可能です。
通貨であれば国が、ポイントであれば特定の企業がその価値を担保し、中央集権的に管理して成り立っていることを考えるとわかりやすいでしょう。
【特徴②】NFT
2つめのキーワードは、「NFT」
NFT( Non-FungibleToken)とは、訳せば「非代替性トークン」となりますが、代替不可能なデータ単位のことを指します。画像、動画、音声などをイメージするとわかりやすいですが、誰が作ったのか、所有者は誰なのかといった権利証の役割を担います。そのため、ブロックチェーンとNFTは大きく関わってきます。
【特徴③】DAO
3つめのキーワードは、「DAO」
DAO(Decentralized Autonomous Organization)は分散型自律組織のことで、ビジョンなどに賛同する人が集まってできた組織・コミュニティのこと。各メンバーが組織やプロジェクトの成功のために自律的に動きます。
ブロックチェーンがあることで、組織の中で貢献度が高いメンバーへ還元していくことが可能になっています。
メタバースとWeb3が創る世界
ここまで、メタバースやWeb3の概要とポイントになるキーワードを整理してきましたが、メタバースが浸透した新しい時代は、より自由で多様性に富んだ社会へと変化する可能性を秘めていると言えます。
今までは、リアルの1つのコミュニティ(社会)で生きるのが当たり前でしたが、今後はバーチャル上の複数のコミュニティを選ぶようになると予想されています。
著者は、「Thirdverse構想」として3つの段階を提示しています。
このように新しい技術の発展により、私たちはバーチャル空間で仕事をするケースが出てきたり、DAOへ投資し、プロジェクトの成功を応援したりするような時代がくるかもしれません。
その際には、自らが考えて選択し、行動することはもちろん重要になってきますし、組織としてビジョンや実現したいことを明確にする必要が出てくると考えられます。
過去に、チーム作りや組織論をまとめた記事もありますので参考にしてみてくださいね。
自社の社員だけでなく、外部人材も巻き込んだチームビルディングについては、こちらの「ガイドブック」にもまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
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いかがでしたか。
メタバースやWeb3の市場は、さまざまな領域を巻き込みながら大きく成長していくことが予想されます。概念的な話も多く理解しにくいと感じる部分は多いかもしれませんが、今回紹介した書籍やキーワードに注目しながら、今後の組織作りや事業立ち上げの方向性を検討してみてくださいね。