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プロジェクトや人材開発のカギを握る!マネジメント層に欠かせない「ジョブ・アサインメント」とは

こんにちは。スキイキ広報担当です。

今回は、「ジョブ・アサインメント」をテーマとして取り上げます。

コロナ禍を経てますます働き方の多様化が進み、マネジメント層にとって、生産性を向上させて大きな成果をあげたり、チームメンバーを育成してチーム全体としても成長させたりすることの難易度が高まっています。

そこで、本記事ではチームの業績や人材育成に効果的と言われる「ジョブ・アサインメント」の概要を紹介すると同時に、マネージャーが取り組むべき具体的な行動、より効果的に実行に移すためのコツを解説します。

これからチーム作りに力を入れるリーダーの方や、人材育成にテコ入れを図りたいマネージャーの方の参考にしていただければと思います。

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専門性の高いスキルや経験を持つプロフェッショナルと必要業務に絞り協働関係を築くことで、企業が抱える人材・ノウハウ不足の解決をサポート。
両者の出会いを通じ、個人には活躍とキャリア形成の機会を、企業には変化の激しい時代にあった柔軟なチーム作りのカギを提供します。

ジョブ・アサインメントの基本

「ジョブ・アサインメント」とは、チームの中で各メンバーに特定の役割や職務を割り当てること、もしくは割り当てられる仕事のことを指します。

誰にどのような業務を任せるかによって、生産性が向上するかどうか、チームの目標を達成できるかどうかが変わってきます。また、取り組む業務によって、そのチームメンバーが新たにスキルや知識を獲得できるかどうかにも関わってきます。

そのため、特に実務もマネジメントも担うミドルマネージャーにとっては、チームの成果や人材育成の観点で「ジョブ・アサインメント」が大きなカギを握るのです。


ジョブ・アサインメントモデルの概要

「ジョブ・アサインメント」について、リクルートワークス研究所では

組織として達成すべき目標をふまえ、業務を具体化した上で割り振り、職務の達成までを支援すること

なぜ、いま、ジョブ・アサインメントなのか?

と定義されています。また、マネージャーがジョブ・アサインメントをする上で必要なスキル要素を分解し、「ジョブ・アサインメントモデル」として以下の4つに体系化しています。

ジョブ・アサインメントモデル
  • A【目標設定】でチームやプロジェクトの目標を設計し、

  • B【職務分担】で最適な人選を行い、職務を任せ、

  • C【達成支援】でチームメンバーが目標を達成するサポートを行い、

  • D【仕上げ・検証】として業務の完了を確認し、次回に活かすための改善策を練る

という一連のプロセスを踏みながら、サイクルを回していくことで成果と人材育成を両立しながらマネジメントが可能になります。


ジョブ・アサインメントはなぜ必要か?

上記のジョブ・アサインメントモデルを見て、多忙な毎日の中で、こんなに細かいことに取り組んではいられないと思った方もいらっしゃるでしょう。しかし、ジョブ・アサインメントを行うことで、以下の3つのメリットがあるのです。

まず、チームの目標達成に必要なスキルや経験を持つメンバーを適切なポジションに配置することができるため、効率良く業務を遂行することに繋がったり、業務の質が向上したり、チーム全体の生産性向上が期待できます。

次に、新しいスキルを習得したり、様々な職務を経験したりすることによって、チームメンバーの成長に繋がり、長期的に見ても組織の成果に貢献すると考えられます。また、個々のメンバーの視点で見ても、スキルアップやパフォーマンスが発揮できることにより、モチベーションの向上にも繋がるでしょう。

そして、ジョブ・アサインメントによって、異なるチームのメンバーと協働したり、一定期間別のチームで業務を遂行し、元のチームに戻るようなジョブローテーションが発生することもあります。多様な経験や視点を持ったチームメンバーと協働することにより、コミュニケーションを取りながら、より大きな目標を達成するために一致団結して取り組むことが可能になるのです。

そのため、「ジョブ・アサインメント」を効果的に実行するのに役立つジョブ・アサインメントの4つのプロセスを押さえておく必要があります。



ミドルマネージャーが取り組むべき具体的な4つのアクション

ここからは、ミドルマネージャーが実行すべき項目を具体的に見ていきましょう。


【ステップA】目標設定

目標設定は「目標設計」と「職務設計」に分かれます。

まず「目標設計」をする上では、チームやプロジェクト全体の目標、解決すべき課題を中長期的に検討し、チーム間で共有・共通認識を持つところから始まります。
より目標を具体化していく上では、ビジョンから相互理解し合い、その上で具体的な数字に落とし込み、経営層などとの目標数字やスケジュールをすり合わせ、そしてマネージャー自身が自分事として捉え自分の言葉で言語化できるように整理しておく必要があります。

その後は「職務設計」として、目標の達成に必要な職務・タスクを洗い出すほか、これまであった不要な職務の確認や、目標達成・課題解決のカギが何か、障害になることは何かを事前に想定しておきましょう。
そうすることで、チームが目標達成をするまでのプロセスをイメージしやすくなるだけでなく、他の部門から理解や協力を長期的に得やすくもなるでしょう。

ここでのポイントは、「人の配置や過不足」についてよりも先に、まず「目標・解決課題の棚卸しやそのプロセスの想定」が重要であるということです。
私たちスキイキでも、事業推進における課題の整理や、それに沿った人材活用の考え方を資料でご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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【ステップB】職務分担

職務分担は、「人選」と「職務委任」に分けられますが、目標設定により想定した職務を誰に任せるのが最適かを考え、実際に任せるまでのステップです。ここで初めて人員のノウハウやリソース過不足について向き合うことになります。

人の選定にあたっては、まずは想定職務・タスクをどのように配分するかを考えます。1つのタスクを専任として任せるのか一定範囲を複数まとめて任せるのかなど、各タスクのボリュームや特性を考慮しながら割り振りの仕方を検討しましょう。
その際、育成したいメンバーに難易度が少し高い職務を任せることを意識したり、各職務・タスクに必要なスキルや経験、適性、時間的制約なども加味しながら決めていきます。

各メンバーの適性や強みをチーム単位で理解し合うためにも、そうした機会にストレングスファインダーなどを活用しておくのも良いでしょう。

いざ職務を委任する際には、メンバーの方から手を挙げやすいように努めることはもちろん、それぞれの職務・タスクが目標やチームに対してどのような意義を持つのか各自が分かり合える状態が望ましいです。
また、工数やスケジュール目安なども想定するほか、報告・進捗共有すべき業務と権限委譲する業務とを整理できるとなおスムーズな分担になるでしょう。


【ステップC】達成支援

達成支援は、「モニタリング」と「介入」に分かれますが、目標達成までのサポートとして、状況に応じて見守ったり、場合によってはミドルマネージャー自身が問題解決にあたります。

基本的には、様々な方法で進捗状況を把握し、順調に進んでいる場合には肯定的なフィードバックをするなど、介入をせずとも目標達成することが理想です。
しかし、課題に対してサポートが必要と感じた場合には、側面から進行の支援や軌道修正を行うなど、目標達成に繋がるサポートをすべき可能性も想定しておきましょう。


【ステップD】仕上げ・検証

最後は、「仕上げ」と「検証」ですが、プロジェクトの職務がひと段落したからといってミドルマネージャーの役目が終わったわけではありません。

仕上げ段階でより質が向上するようなアドバイスをすることもそうですが、完了確認後に良い成果が出た場合には、社内外に発信して反響を伝えたり、なぜ良い成果に繋がったのかを振り返る部分もミドルマネージャーの役割です。
また、想定するほどの結果が出せていなかった場合には、改善に向けた課題点を検証すると同時に、ミドルマネージャー自身もマネジメントの仕方について振り返ることも欠かせません。


このようなアクションをひとつずつ意識して実行することにより、目標達成や組織開発・人材開発、そして次のプロジェクト、事業推進・改善につながる循環の実現に近づいていくはずです。



ジョブ・アサインメントをより効果的に行うためのポイント

ここからは、ジョブ・アサインメントをより効果的に行うためのコツを解説していきます。

ジョブ・アサインメントのポイント


メンバーのスキルや希望の正確な把握

1つめは、チームメンバーのスキルレベルや経験・能力、個人としての希望などを正確に把握して職務を割り当てることです。

チームメンバーの特性・適正を理解し切れていない場合、職務分担のステップ、つまり早い段階からつまづく原因になります。個々の希望や特性とは異なる職務を委任した場合、目標達成やプロジェクト完遂が遠ざかったり、チーム全体のモチベーション低下、業務の質の低下につながってしまう恐れもあるでしょう。

そのため、各メンバーの強み・弱みを把握すると同時に、それぞれのキャリアプランや目標設定の方向性などのマッチングを意識しながら人選・委任の検討をしていくことが重要と言えます。


チーム単位のタスクや進捗を統合的に把握できる環境

2つめは、タスク管理や社内コミュニケーションのツールをうまく活用し、チーム全体で取り組むべき職務を可視化し、タスク量や期限、進捗状況などを把握できる体制づくりをすることです。

ミドルマネージャーは、チームのリーダーを務めながら、同時に実務をこなし成果も追求するような立場です。自身のタスク管理もそうですが、チーム全体の進捗を把握し、問題点の発見・共有や、その改善・軌道修正についてチームを導く必要があります。
そのため、グループウェアなどのツールを有効活用できると、実務のコントロールだけではなく、結果的に目標達成のために重要な材料にもなり得ます。

もちろん、ミドルマネージャーにとってだけでなく、チームメンバー同士が状況に沿ってタスクを分担・支援し合うような協力関係に寄与することも期待できますし、マネージャーから各メンバーへのスピーディーなフィードバックも可能になるでしょう。


外部のプロフェッショナル人材を活用した体制強化

3つめは、外部人材を活用し、ミドルマネージャー自身の職務を分担するほか、目標達成のためのサポートをしてもらう想定をしておくことです。

過去の記事でもご紹介しましたが、ミドルマネージャーは業務負荷が重なることで目標達成と実務負担の板挟みになりやすく、チームメンバーの業務を自身でカバーしてしまったり、結果として人材育成などにも取り組めなかったりするケースがよくあります。

そうした状況から脱却し、「ジョブ・アサインメント」を活かしたプロジェクト遂行に一層コミットできる状態にするために、経験豊富で即戦力となる外部人材にチームに入ってもらうことで、ミドルマネージャーの業務量を減らせるほか、チームの実務遂行をサポートしてもらうことが可能です。
また、アサインする外部人材の経験によっては、単なるリソース不足のカバーだけではなく、客観的な視点から目標達成に向けたアプローチを助言したり、軌道修正などのサポートも依頼できるでしょう。

ミドルマネージャーの業務を分担するだけにとどまらず、チームメンバーと協働するポジションに入ってもらうことで、各職務ごとに必要なノウハウやアイデアの面で支援してもらうことも可能なのは外部人材活用の大きなメリットと言えます。

外部人材活用について基本から知りたい方はこちらをチェックしてみてくださいね。

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そもそも、「ジョブ・アサインメント」プロセスの前半にある【目標設定】の部分で十分な棚卸しが難しかったり、【職務分担】するにも社内に適切な人員がいないというケースもあるでしょう。
そのような場合には、その整理・準備段階から外部人材の力を借りたり、社内人員と同様にサポートではなく実務実行のため参画してもらうような依頼ができれば、「ジョブ・アサインメント」をスムーズに実現するのに役立つはずです。

ミドルマネージャーが自身の業務を最適化し、妥協なく「ジョブ・アサインメント」の確立に取り組める状態を作るための選択肢として、外部人材活用がどう有効になるか見えてきたのではないでしょうか。


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いかがでしたか。

ミドルマネジメント層は日頃から、様々なチームメンバーをマネジメントしていく上で、タスク管理やコミュニケーション、評価・育成、業務遂行など向き合うべき課題が多くあるでしょう。

今回ご紹介した「ジョブ・アサインメント」は、プロジェクトの成果だけではなく、組織・人材それぞれの成長も両立できる可能性のある取り組みだからこそ、ぜひ優先順位を上げて実践したいという企業も多いと思います。
ぜひ外部人材の活用なども視野に入れながら、まずは業務整理やチームメンバーの適性把握からスタートし、一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。